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門真の整備士が語る輸入車と輸出
輸入車に憧れを持つ人も少なからずいるのではないでしょうか。
現代の日本においては、比較的お手軽に輸入車を購入し、所有することが出来ますが。
「壊れやすい」「工賃が高い」なんてネガティブなイメージを持ちがちな輸入車に、手が出にくいと思う人もいるでしょう。
実際に所有するにあたっての点や、日本での輸入車、逆に日本から輸出など、自動車の輸出入事情を見て行きましょう。
目次
日本の輸入車の歴史
本格的に日本に海外自動車メーカーが参戦してきたのは、1923年の関東大震災によって東京の路面電車が壊滅し、代替え案としてバスに使用する為、フォードより800台ほどの自動車を輸入したことから始まります。
それ以前も、商社やブローカーによって小規模の輸入は行われていましたが、そのほとんどがタクシーとして利用されていました。
この一件で、フォードが本格的に日本市場に参入すべく、1925年横浜に工場を建設。
2年後の1927年にゼネラルモーターズが大阪に工場を建設しました。
ここから1940年頃まで、フォードとゼネラルモーターズの普及によって、現代のディーラーの形やガソリンスタンド網など、日本における自動車業界の基礎が作られます。
第二次世界大戦が開戦し、日本における軍部の影響力が強まり、世界情勢などの点も関係し、両社は日本から撤退してしまいます。
1950年代、国内での自動車生産が始まるものの、当時の日本車は輸入車と比べ品質や性能などが劣っていた為、欧州車が日本の工場にてノックダウン生産(本国から部品で輸入して現地で組み立てる)されました。
1965年に、日本のおいて自動車の輸入が自由化され、本格的に輸入車が市場に出回り始めます。
1970年代に入ると「スーパーカーブーム」が起こり、その頃普及し始めていた国産車と対照的に、輸入車は「高価で特別な物」と言ったイメージが強くなってきました。
1980年代のバブル期に突入すると、一気に国内の輸入車の台数が増えていきます。それに伴って、それまで国内の代理店などが輸入権を持って輸入車を統括していたのに対し、各輸入車メーカーが日本法人を設立し、本格的に日本の輸入車業界に直接参入してくるようになりました。
バブルの崩壊によって輸入車の販売台数は一時期陰りを見せましたが、近年では国産自動車の価格高騰によってリーズナブルなモデルの輸入車との価格差があまり無くなってきている為、輸入車も現実的な選択肢となって来ています。
現在日本で正規購入可能な主な輸入車メーカー
日本の正規代理店で購入かのうな輸入車のメーカーはどの程度あるのでしょうか?
メルセデスベンツ
日本で輸入車と言えばまず挙げられそうなメーカーですね。
今でも、ベンツと言えば高級車の象徴的なイメージですが、近年のAクラスなどは比較的リーズナブルに購入出来る価格帯になっており、国産車ですと、スバル・レヴォーグ辺りになります。
スマート
小型自動車のメーカーであり、メルセデスベンツと同チャンネルでの販売が行われています。
主に2人乗りでしたが、近年4人乗りのスマートフォーフォーが発売されています。また、メルセデスベンツのチューニングメーカーであるブラバス仕様の、スマートブラバススポーツも登場しています。
BMW
メルセデスベンツと並んで出てくる、ドイツの自動車メーカーです。
古くより、モータースポーツに積極的だったBMWは、自動車の性能などを重視する傾向にあります。
同社のキャッチコピー「駆け抜ける喜び」からもその様子がわかりますね。
BMW ALPINA
BMWの公式チューナーであり、メーカーの一つとして扱われています。
日本においては、車検証上でも、BMWアルピナと表記されます。
特徴的なエンブレムと、細かなスポークのホイール、アルピナラインと呼ばれるサイドデコレーションが施されるのが、外見的な特徴となり、控えめでエレガントな自動車をコンセプトにチューニングされています。
現在は活動していませんが、以前はBMWのレース部門の車両制作も担当していた老舗チューナーです。
アルファロメオ
イタリアのメーカーです。現在はフィアット傘下になっていますが、かつてフェラーリの創始者、エンツォ・フェラーリもレース部門の責任者として在籍し、高級自動車メーカーとして名を馳せました。
現代でも、アルファロメオ独特のデザインを維持しながら、市場展開しています。
プジョー
フランスの大手自動車メーカーであり、世界最古の量産自動車メーカーとも言われています。
後述のシトロエンを傘下に持ちます。
プジョーと言えば映画「TAXI」のイメージが私にはあるのですが。実車はしなやかな足周りによる、独特な乗り味が特徴となっています。
これは、サスペンションとショックに独自の味付けをしている為で、日本では自動車評論家が「猫足」と評したことから、そのような呼び方をされることもあります。
シトロエン
フランスの大手自動車メーカーで、現在はプジョー傘下となっています。
現代では主流となっている駆動方式である、FFを市販車に導入して世に広めたのはシトロエンです。
デザイン性での評価も高く、人とは一味違ったオシャレな自動車として日本での需要もあります。
フォルクスワーゲン
ドイツの自動車メーカーで、同国における大衆車メーカーのような役割を担っています。
そのデザイン性や走行性から、日本でも支持が高く、ゴルフなどは特に人気車種となっています。
ヨーロッパにおいて一大グループを築いており、アウディ・ポルシェ・ベントレーなどもこのグループに含まれます。
アウディ
ドイツのフォルクスワーゲン傘下の自動車メーカーです。
メルセデスベンツ・BMWと並ぶ高級輸入車メーカーとして知られています。
流線形の独特なデザインと、高級車及びスポーツ志向のメーカーとなし、日本での人気も高いです。
ルノー
フランスの自動車メーカー。なんとなく作りが「これはフランス車やな!」って感じのする自動車です(あくまで個人の主観です)
日本の日産なども傘下にあり、世界最大の自動車会社と言われています。世間を賑わせた、カルロス・ゴーンを日産に送り込んだのもルノー。
市販車で4輪ディスクブレーキを初めて採用したのは、ルノーになります。
日本でメジャー車種ですと、カングーなんかが比較的人気になります。
フィアット
イタリアの自動車メーカーになり、日本で有名な車種としては「500」や「プント」などになります。
2014年にクライスラーと合併し、フィアット・クライスラーオートモービルズと言うグループを形成しています。アルファロメオ・アバルト・クライスラー・マセラティなどを傘下に置く一大グループです。
アバルト
イタリアの自動車メーカーで、当初はフィアット車を用いてレース等への参加やチューニングをしていましたが、後に同社に買収され傘下となります。
買収後はフィアットのレース部門として、フィアット傘下のフェラーリやアルファロメオなどのレース車両の開発を行っていました。
現在はアバルトブランドで限定車やチューニング車の販売を行い、近年ではマツダロードスターをベースとした「124スパイダー」を販売しています。
ジャガー
ジャガーは、イギリスの高級自動車メーカーです。
現在はランドローバーと共に、インドの自動車メーカー「タタ・モーターズ」の傘下となっています。
元々はサイドカーの製造メーカーとしてスタートし、現在の自動車メーカーへと至ります。
高級車のイメージが強く、一部層からは今も根強い人気があります。
ランドローバー
イギリスの自動車メーカーです。SUV車のイメージが強いメーカーになりますね。
現在はジャガーと共に、「ジャガーランドローバー」として「タタ・モーターズ」の傘下になります。
「レンジローバー」が高い人気を誇り、特に旧モデルの愛好家が多く、初代は「ファーストレンジ」「クラシックレンジ」などと呼ばれ、2代目は「セカンドレンジ」と呼ばれています。
ボルボ
スウェーデンの自動車メーカーで、現在は中国の企業が親会社となり、その傘下に入っています。
その強固さから「鉄の棺桶」と呼ばれ、崖から自動車を落下させてもキャビンが潰れないCMは大きな衝撃と話題を呼びました。
その安全構想は、北欧と言った土地柄から、大型の哺乳類「ヘラジカ」との衝突を想定して開発された為です。どんな恐ろしい所なんでしょうか?
現代主流の3点式シートベルトを開発したのもボルボです。
最近では、ディーラー以外への部品供給の停止をやらかしましたが、すぐに日和って供給を再開しました。ところが、定価で送料別の実質値上げ仕様に・・・・
ベントレー
イギリスの高級車メーカーです。現在はフォルクスワーゲングループの傘下になります。
現行車種は2000万円以下の車種がなく、まさに高級車。某イリュージョンのプリンセスも愛用している他、プロ野球選手などにも愛好家が多くいます。
高級自動車であると共に、レース専用のコンチネンタルGT3なども製造しており、モータースポーツにおいても活躍しています。インターコンチネンタルシリーズや、日本のスーパーGT GT300クラスでも使用されていました。
フェラーリ
イタリアの高級自動車メーカーです。みんな大好きイタリアの跳ね馬。
赤いスーパーカーと言えばフェラーリのイメージですね。
エンツォ・フェラーリによって創設されたメーカーで、創設以来スーパーカーしか製造していません。
また、1950年のF1GP開幕より、現在まで唯一、自社開発で参戦し続けるメーカーです。
買収騒動からの、意地の張り合いによるレースでの戦いが「フォードVSフェラーリ」として2019年に映画化されたのは記憶に新しい所です。
ポルシェ
ポルシェはドイツの高級自動車メーカーです。現在はフォルクスワーゲングループの傘下にあります。
一目でポルシェ!と分かる、2シータークーペモデルから、SUVなども展開しています。
911は1963年よりモデルチェンジを続けて製造され続けています。
同車に憧れて所有する人も多く、一種のステータスとなっている側面もあります。
RUF
ドイツにある、ポルシェベースのチューニングメーカーです。
ベースはポルシェであるものの、フレーム等から新造を行い、最早チューニングと言っていいものか?と言った具合にまで作り変えられています。
ランボルギーニ
イタリアの高級車メーカーで、スーパーカーの製造販売を行っています。
現在はフォルクスワーゲングループ傘下になります。
元々はトラックの改造や、トラクターの製造を行っており、ブランドは売却しているものの、現在もランボルギーニブランドのトラクターは販売されています。
創業者のフェルッチオ・ランボルギーニが自身の所有していたフェラーリの修理を自分で行ったことをきっかけに、スーパーカーの製造へと舵を切り始めます。
その平べったく幅広い見た目のボディは、いかにもスーパーカーですと言った空気を醸し出し、多くの人の心を掴んで離しません。
ちなみに、スーパーGT GT300クラスに参戦している1995年以降のランボルギーニ車両は、同社全面協力の元、同社にてワンオフで制作されています。
クライスラー
アメリカの自動車メーカーです。フィアット傘下になります。
良くも悪くもアメリカンな高級セダン。その威圧感のある外見から、そちら方面の人達より支持を得ている傾向にあります。
アメ車なんですが、なんかアメ車っぽくないよなぁと思いながらも、蓋を開けるとやっぱりアメ車だわ・・・・と言った印象です(個人の主観です)
マセラッティ
イタリアの高級自動車メーカーです。フィアット傘下になります。
第一次世界大戦の戦後に、レース車両の製造メーカーとして発展し、第二次大戦後に高級車路線へと舵を切っていきます。
エンジンはフェラーリより供給されておりますが、制振性などに考慮した、よりラグジュアリー向けなエンジンに調整されて搭載されています。
アストンマーチン
イギリスの高級自動車メーカーになります。
「007」のボンドカーとして採用されていることが有名ですが、レースにおいても、FIA 世界耐久選手権(WEC)にも参戦しています。
過去に製造販売した車両のレストア事業にも力を入れており、実働車として多くの自動車が残っているメーカーでもあります。
マクラーレン
マクラーレンはイギリスの高級自動車メーカーです。
これがスーパーカーと言った自動車を製造販売しており、購入金額もさることがなら、その維持費は莫大な物になる為、それこそ選ばれた人じゃないと乗るのが難しい自動車となっています。
特に名車「F1」は、本国からスタッフがやってきて作業を行う。内容によっては現車を本国送り。タイヤ交換をするだけで、プロドライバー搭乗で、サーキットにて足回りの再セッティング。
など、もうお金が余って困ってる人じゃないと、どうにもならないみたいですが。あっ、勿論全部実費ですよ?
中古車を購入するに当たっても、マクラーレン社によって社会的地位や収入、ドライビングテクニックなどの審査を経て、通過した人のみ購入することが出来ます。どんな車やねんF1。
ちなみに、2019年時点での日本でのマクラーレン車登録台数は353台になっています。
ロールスロイス
ドイツの高級自動車メーカーです。
元々はイギリスで創設されたメーカーですが、身売りなど紆余曲折を経て、現在はBMWによって設立された、ドイツを本拠地とするロールスロイスがこのメーカーとなっています。
高級車としてのブランドイメージを大切にし、故障しても即メカニックが駆け付け、修理をして費用は請求されずに「修理費用?ロールスロイスが故障する訳ないじゃないですか?」と言われるような伝説もある程です。
これは、お客様を大切にすると言った同社の方針と、壊れない自動車と言うのをアピールする為の創作ですが、この話からも同社の姿勢が見て取れますね。
テスラ
テスラは、アメリカの自動車メーカーです。
創設からまだ歴史の浅い、新興自動車メーカーになりますが、電気自動車の製造販売において知名度を伸ばしてきています。
テスラは、ディーラーを持たずに、全ての自動車をメーカーとユーザーが直接取引で販売するのも特徴です。
購入手続き後、特に途中連絡などもなく、忘れた頃に納車されるようで、日本式のディーラー営業マンによる販売スタイルに慣れた日本人には、相当不安感を覚えるようですが。
シボレー
シボレーは、アメリカの自動車メーカー「ゼネラルモーターズ」の所有する自動車ブランドの一つです。
シボレーと言われて有名な所でコルベットなどが挙がってくると思いますが、近年、トランスフォーマーのバンブルビーにシボレーカマロが採用されたりもしました。
キャデラック
キャデラックは、アメリカの「ゼネラルモーターズ」のブランドの一つです。
高級車ブランドとして知られます。
アメリカ大統領専用車としても、長年採用され、トランプ大統領来日の際には、アメリカより大統領特別仕様の「ビースト」が持ち込まれました。
ラグジュアリーな高級車であり、ロールスロイスやリンカーンなどと並び、世界の各界要人などにも愛用されています。
ジープ
アメリカの自動車メーカーになります。
元々は、米軍の、新型4輪駆動の無茶振り車両発注に、入札締め切り2週間前位から参戦しだして突貫設計、製造したのが同社の始まりです。「えっ?納入まで2か月で新型車両を!?」「できらぁ!」
現在では、高い走破性を持つオフロードの4輪駆動車とSUVのメーカーとして親しまれています。
ロータス
イギリスの自動車メーカーで、中国企業の傘下になります。
大学生が副業感覚で行っていた中古車販売の延長で、自身がレースに出場する為、自宅ガレージで改修制作を行ったマシンがロータスの始まりであり、そこからアレよアレよと勝利してしまい、本格的にレーシングカーの製作を始めたのが成り立ちです。
ピュアスポーツと呼ばれる部類の自動車は主に製造販売しており、現行車種のほとんどにトヨタ製エンジンをチューンした物が搭載されています。
軽量な車重と高いハンドリング性能で人気を誇ります。
プロトン
プロトンってどこ?聞いたことないけど?と思ったそこのあなた、安心して下さい。私もこの記事を書き始めるまで知りませんでした。
プロトンは、マレーシアの自動車メーカーです。一時は上記のロータスを傘下に置いていた時期もありました。
日本でも正規輸入販売が行われ、ラリーカーとして全日本ラリー選手権に参戦し、モータースポーツ用ベース車両としての販売が行われていましたが、2018年末に完売となったようです。
日本から撤退した輸入車メーカー
ローバー
かつて存在したイギリスの自動車メーカーです。
ローバーと言えば、ローバーミニが有名で、同車は世界一売れた自動車でもあります。
2005年にローバー自体が消滅し、同時に日本市場からも撤退しました。
ヒュンダイ
韓国の自動車メーカーです。
元々はフォードのノックダウン生産から始まり、自社で開発等の技術が無い中、三菱自動車より技術提供を受けて製造販売を行ってきたメーカーです。
そんな背景からか、日本では、三菱自動車のバッタ物などと揶揄されたこともありましたが。
2001年に日本市場に参入し、CMにヨン様を起用するなどし話題になりました。
また、ユーザーの保有自動車を預ける代わりに、1週間ヒュンダイ車の試乗車を貸し出す「どうだい、ヒュンダイ!とりかえっこ」キャンペーンを展開するなど、日本における知名度や購買意欲の向上などに努めたが、努力も空しく2010年に日本市場から撤退しました。
現在でも、大型観光バス等の販売やアフターサービスは日本でも行っています。
ランチア
イタリアの自動車メーカーで、フィアットの傘下になります。
ラリーカーのイメージが強く、ランチアで有名な自動車「ストラスト」もFIA 世界ラリー選手権(WRC)に参戦する為に開発された自動車です。
1990年代、当時はマツダが輸入販売を行っており、ラリーでの活躍もあり「デルタ・インテグラーレ」は人気がありましたが、2014年以降は日本での輸入販売は行われていません。
フォード
アメリカの自動車メーカーです。
戦前の日本に初めて入ってきた輸入車メーカーであり、近年ではマツダと提携し深い関わりがありました。
マツダの経営危機の際には、同社の「フェスティバ」をベースとして開発した「初代デミオ」が大ヒットし、マツダの救世主となったこともありました。
2016年に日本市場より撤退しています。
オペル
ドイツの自動車メーカーです。長年ゼネラルモーターズの子会社でしたが、現在ではプジョーシトロエン傘下となっています。
メルセデスベンツ、BMWなど他のドイツ車と比べて地味であることや、知名度の低さから販売台数が低迷し、2006年に日本市場より撤退しました。
ところが、2021年に再び日本に上陸展開することが決定しています。
サターン
アメリカのゼネラルモーターズの子会社です。
「礼をつくす会社、礼をつくす車」のキャッチコピーで日本に1997年に参入し、営業マンから声掛けを一切行わない、値引きは一切しない等の手法を導入し注目されました。
作りのチープさや知名度の低さから日本での販売には苦戦を強いられ、2001年に日本市場から撤退。2010年にはブランド自体が消滅してしまいました。
輸入車の現地と日本の価格差
輸入車メーカーの自動車は、現地での販売価格と日本での販売価格は実際に違います。
では、なぜここの価格差が生じるのでしょうか?
まず、一つ目に「関税」の問題を挙げる人が多くいますが、日本の輸入車においては1978年に輸入車に対する関税は撤廃されており、完全自由市場となっています。
「ウチの国の自動車が売れないぞ!市場開放しろ!はよ!!日本車の関税引き上げるぞ!」などと仰っている某大統領もいますが、現に、欧州車などは日本でも好調に売れているので、売れないのはアナタの国の自動車の問題ですよ?と誰か声を大にして教えてあげて下さい。
実際には、輸送費などの問題も多少は影響してくるのですが、日本に入ってくる輸入車は、メーカーの戦略によって比較的上位グレードの自動車が多く、現地にある廉価グレードのモデル等が無い為、20~30%程度高い値段で販売が行われているようです。
正規輸入車と並行輸入車の違い
よく聞く、正規輸入と並行輸入の違いってわかりますか?
まず、正規輸入車ですが、これは日本で展開する輸入代理店または輸入車メーカー日本法人による、正規販売網で輸入販売されている自動車のことを指します。
ディーラーなどの販売網も展開されている為、購入時のサポートや、購入後のアフターサービスなども安心して受けられる点が挙げられます。
並行輸入車は、正規ではない輸入業者などによって現地より直接輸入される自動車のことを指します。
メリットとしては、日本仕様では展開されていないグレードやオプションを装備した自動車を自由に選べ、現地の価格に業者への手数料や輸入に掛かる諸費用などをプラスした料金になるので、正規輸入車と比べて新車価格で安くなる場合もあります。
デメリットは、現地仕様の自動車を日本で登録する際には、日本の保安基準に適合した仕様に改修する必要が発生したり、並行輸入車は基本的に正規ディーラーへの入庫を拒否されるケースが多い為、並行輸入車を見てくれる業者を探す必要がある他、国や地域、モデルや仕様によって細かく部品がわかれている場合があるので、自動車の仕様がわからない場合は、部品の調達が非常に困難になります。
また、輸入業者によってはある程度の保証を付けてくれるところもありますが、基本的には保証はない物と考えるほうがいいです。
安心の正規輸入車か、自由と安さの並行輸入車、あなたはどちらを選びますか?
輸入車って車検や修理高いの?
「輸入車は工賃が高い」「ベンツは特別な工具が必要だからディーラーでしか触れない」「修理費も高い」この辺りは、昔から安定してよく聞く気がします。実際の所どうなのでしょうか?
国産車と違い輸入車は、ネジやボルトのサイズが異なる為、工賃が高いとか工具が特別とか言われる原因はこの辺りに言われるのでしょう。
実際、普段国産車では使用しないサイズの工具を使用はしますが、持っていればどうという事はありませんし、その工具が特別高い物である訳でもありません。
工具を持っていない修理工場等では、新しく揃える必要がありますし、若干自動車の作りや考え方も輸入車は違う部分があるので、普段輸入車を触らない業者さんは嫌がって断る傾向にあります。
結局の所は同じ自動車に変わりはありませんので、やってしまえばなんてことはないのですが、多少の経験とコツは必要にはなるかなと思います。
また、考え方の違いから、消耗品の交換頻度が国産車より短かったり、大きな部品を消耗品と捉えている為、整備に掛かる費用が高いと思われる原因になります。
そこはもう、こんなもんだと割り切って頂くしかしょうがないのですが。
以上のような点が原因で、冒頭の問題に繋がる訳ですが、結果としては特別高い訳でも、特殊なことをしないと触れない訳でもありません。
輸入車は壊れやすいの?
「輸入車は壊れる」これもよく聞くテーマですが。
まず、日本の気候と輸入車メーカーの本国の気候に違いがあるので、ここにも一因はあります。
特に、自動車にはゴム類などが多く使われている為、これらのゴム部品の劣化の仕方などに差が出る為、日本では壊れやすいなどと言われたりするのですが。
近年の輸入車においては、生産技術の発達でそこまで差は生じないとされています。ひと昔前の輸入車は別ですよ?
二つ目、自動車の稼働状態の違いです。
日本の道路事情は、海外と比べて細かく信号などでストップ&ゴーを繰り返したり、一度の運転で短距離での運用が多かったりします。その為、本来の想定よりも自動車に負荷が掛かる為、故障の一因となる訳ですね。輸入車からすると、日本の道路事情は、常時シビアコンデションになる訳です。
逆に、現代の国産車は本当に壊れない為、こっちが壊れなさ過ぎる面もあります。そこと比較してしまうと、故障すると言ったイメージを持たれるのは仕方ないのかも知れません。
日本メーカーの海外生産車両
日本の国産メーカーで日本国内で販売されている自動車で、海外にて生産されている車両もあります。作りなども純国産車よりも、輸入車に近しい面があったりと、ある意味こちらも輸入車と言えるような存在になります。
いくつかの例を挙げておきます。
- ホンダ NSX(2016年~)アメリカ
- ホンダ シビックタイプR(2017年~)イギリス
- 三菱 ミラージュ(2012年~)タイ
- スズキ SX4(2015年~)ハンガリー
- 日産 マーチ(2010年~)タイ
国産車の輸出
国産車の輸出においては、新車はアメリカへの輸出が飛びぬけて多くなっています。
また、中古車の輸出も盛んに行われており、日本の中古車は海外の自動車と比べて程度が良いので、需要が高くなっています。
日本ではもう解体かなぁ、と言った自動車でも、輸出でいい値段が付いたりなんてこともあります。
アメリカの25年ルール
アメリカでは、国内で販売されていない車種について、現地で発売されてから25年を超える自動車は、クラシックカー扱いとなり、アメリカの安全基準や排ガス試験などが免除されると言ったルールがあります。
このルールによって、近年、日本から25年越えのスポーツカーなどが大量にアメリカへと流れ、日本国内の中古車の価格高騰や自動車の数そのものが減ってしまう現象が起きています。
これは、平成初期の頃のスポーツカーが多く製造されていた時期の自動車が、丁度25年ルール解禁になってきた為です。
酷い車種になると、8年程前と比べて国内の中古車価格で3倍以上、純正中古部品も国内で探すよりもアメリカのほうが大量にある・・・・なんてことになっています。
この辺の年代のスポーツカー好きとしては、これは非常に複雑な事態なのですが。
特に、スポーツカーに興味のある、今の若者が、安価に入門用に購入出来る自動車が無くなってしまったのが痛いなと個人的に思っています。
まとめ
輸入車についてのお話を今回はさせて頂きました。
トヨタなどの国産メーカーも大きなグループを形成していますが、輸入車メーカーは世界的に多くのメーカーとグループを形成している所が多いですね。
これからも、各メーカーからどんな魅力的な輸入車が日本に入ってくるのか楽しみです。
自動車の選択肢が増えるのは、ユーザーにとっては嬉しいことですが、購入後に対応してくれる修理工場などの面も不安になってくる要素だとは思います。
東伸自動車では、輸入車の車検や修理なども対応していますので、安心してお任せ頂ければと思います!
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