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整備士が語るモータースポーツ
みなさんはモータースポーツに興味はありますか?
モータースポーツ好きで観戦する人、又は自身でモータースポーツをしているよ!って人や、実際にどんな物なのかわからない?何処でやってるの?って人もいると思います。
今回はモータースポーツの楽しみ方をお送りしようと思います。
モータースポーツってなに??
モータースポーツってそもそもなにするの?レース?って人もいると思うので、さっくり説明しましょう。
自動車やバイクなどの乗り物に乗って行われる競技全般をモータースポーツと言います。
広義では、エンジンを搭載した乗り物を使用した競技のことを指すので、飛行機やボートなども含まれますが、ここでは自動車とバイクのレースについてのお話です。
モータースポーツを観戦してみよう!
いきなり始めるのは、なかなかハードルが高い物があるので、興味のある人はまずは観戦から初めてみませんか?
テレビ中継やネット配信をしているレースもありますし、現地に観戦に行ってもいいですし。
個人的には、現地が観戦するのが一番おすすめです!スタートの瞬間とゴールの瞬間の全身がゾクゾクする感じや、熱いバトルを見守って手に汗握る時、ファンサービスでのドライバーとの触れ合いや、レース車両を間近で見学出来たりと、他のスポーツよりもモータースポーツは現場とファンが近いのも特徴です。
日本国内で観戦可能なモータースポーツには、どのようなレースがあるのか紹介します。
SUPER GT
国内のツーリングカーレースの最高峰がSUPER GTになります。
GT500、GT300の二つのクラスから構成され、両クラスが混走でレースを行います。
前身は全日本GT選手権として開催されていましたが、2005年にスーパーGTとなり、FIAの国際シリーズとなりました。
速度差のある2カテゴリの車両が同一コース内で混走してレースを行う為、他カテゴリの自動車を使った駆け引きや、大量の自動車が入り乱れる様子なども人気の一因となっています。
年間を通したシリーズ戦となり、基本的には年8戦、国内ラウンドが7戦、海外ラウンド1戦といった形式が近年は取られています。
例年ですと、海外ラウンドはタイ・チャンインターナショナルサーキットで行われていましたが、2020年シーズンは当初の予定では、東京オリンピック開催によって、夏季の富士スピードウェイでのラウンドが行えなくなる為、代替えで、タイラウンドと、マレーシア・セパンインターナショナルサーキットでの2ラウンドが海外での開催が予定されていましたが、コロナウイルスの影響によって実現はしませんでした。
2021年シーズンのコロナウイルス、東京オリンピックの加減次第では、タイ・セパンの2ラウンドが実現する可能性もあります。
獲得ポイントによってウエイトハンデや、燃料を制限するリストリクターの導入によって、特定のチームが勝ち続けるのは難しい仕様になっています。
基本、1チーム2名のドライバーが交代で走行し、レース中に規定の周回数分片方のドライバーが走る必要があり、ドライバーの交代も義務付けられています。
富士などの長距離レースでは第3ドライバーの登録も可能となります。
元々は市販車ベースで規定の範囲内で改造を施し、レースを行うといった物でしたが、規定の穴を付いた改造や性能の向上から、現在の規定では市販車の改造車とは言い難く、市販車のガワを被ったレーシングカーとなっています。
ドイツツーリングカー選手権(DTM)との車両の共通化を図ったクラス1規定によって、2020年シーズンではGT500クラスにおいてトヨタ、日産、ホンダの各メーカー車両でも統一が図られ、これ合わせてホンダNSXがミッドシップからフロントエンジンへと変更されました。
GT500クラスには、上記の3メーカーのワークス又はセミワークスチームの15チームが参加しています。
使用車両は各メーカーごとに統一され、2020年シーズンではトヨタ GRスープラ、日産 GT-R、ホンダ NSX-GTとなっています。
GT300クラスには、規定に合う各GT3車両などが参加しており、JAF-GT、GT300マザーシャシー、FIA-GT3の3規格の車両が参加しています。
GT300クラスは、参加チームのほとんどがプライベーターチームとなり、様々な車両が参加しており、アニメタイアップ車両のイタ車などが強豪に加わっているなど、まさに多種多様となっています。
2020年シーズンは30チームが参加しています。タイヤについても、世界的にはワンメイク制が多い中、SUPER GTにおいては複数のメーカーがタイヤ供給を行い、チームごとにタイヤの選択や開発が可能となっています。
使用するタイヤによっては、状況によって大きくラップタイムなどが変わる為、戦略的な意味や観戦する側の視点からも、レースを左右する大きな要素の一つとなっています。
レースの方式は、予選はノックアウト方式を採用し、クラス別にQ1・Q2と2ラウンドの予選を行い、GT500ではQ1上位8台がQ2へと進み、GT300クラスは台数が多い為、A・B組に分けられ、各組上位8台がQ2へと進みます。
Q2での順位がそのままグリッド順となります。
また、Q1・Q2で同一ドライバー同一タイヤを使用することが出来ない為、それぞれ別のドライバーとタイヤを使用することになります。決勝はローリングスタート方式で行われ、GT500クラスのスタート後に時間差でGT300クラスのスタートがあります。
スタート時に装着されるタイヤは予選使用タイヤとなり、クジによってレース前にQ1・Q2どちらで使用したタイヤか決定されます。2019年には、今後DTMとの相互参戦を見越した特別交流戦が行われ、日本からDTM最終戦ホッケンハイムラウンドへ、KeePer TOM'S LC500 37号車、MOTUL AUTECH GT-R 35号車、RAYBRIG NSX-GT 1号車の3台が参戦し、SUPER GT勢最上位はRAYBRIG NSX-GTのジェイソン・バトンがレース1で9位、レース2で16位となりました。
2019年11月には、富士スピードウェイにてSUPER GT・DTM特別交流戦が行われ、GT500クラス15台と、DTMより7台のマシンが参戦して開催されました。
レース1ではKeePre TOM'S LC500のニック・キャシディが、レース2ではModulo Epson NSX-GTのナレイン・カーティケヤンが優勝しました。
SUPER FORMULA
日本のフォミラーカーレースの最上位カテゴリがSUPER FORMULAになります。
前身はフォーミラ・ニッポンです。SUPER GTとの兼任で参戦しているドライバーも多く、国内最高峰カテゴリであると共に、F1へのステップアップも可能なことから、海外の若手ドライバーからも注目が高まっているシリーズとなっています。
2019年シーズンからは、レッドブルが育成ドライバーをSUPER FORMULAに送り込み、F1ステップアップを本格的に見据えた采配を取っています。
トヨタ・ホンダの2メーカーが参戦しており、エンジンも各メーカーで別れます。
年間7戦が行われるシリーズ戦となり、国内サーキットを転戦します。
タイヤは現在はYOKOHAMAタイヤより供給され、2019年まではソフト・ミディアムの2スペック制を導入し、レース中に異なるコンパウンドのタイヤを使用することが義務付けられていましたが、2020年シーズンよりソフトタイヤの1スペックに変更されました。
予選はノックアウト方式で行われ、Q1上位14台がQ2へ、Q2上位8台がQ3へ、Q3の順位がそのままスタートグリッドとなります。
決勝はスタンディングスタートで行われます。
2019年シーズンより、新型シャシのSF19が導入され、よりドライバーの安全性を高める為、ヘイローも導入されました。
また、同シリーズの車両には、オーバーテイクシステムといったパワーアップ機構が搭載されており、燃料噴出量を調整して50馬力程パワーアップが出来る物となっています。
1レースで100秒間使用可能で、任意の時間使用出来る為、1度に100秒全て使い切ったり、小分けに何度も使用することも出来ます。
1度使用すると、次の使用まで100秒間のインターバルが発生します。
前走車を追い越しするのに使用したり、また後方からの追い越しをブロックするのにも使用出来、どのタイミングでどのように使用するかで、ドライバーの戦略の幅が大きく広がります。
使用中はランプが点滅し、インターバル中はスロー点滅、残り時間によってランプの色も変化する為、他車のドライバーからも状況がわかるようになっています。
これに対し「オーバーテイクしにきた車を防げる下らないシステム」と小林可夢偉がかつて批評していたこともありましたが。
F1
みなさんご存じの、世界最高峰のモータースポーツカテゴリになります。
世界を転戦し、全21戦が行われるシリーズ戦となります。
日本では例年秋に鈴鹿サーキットにて日本GPが開催されます。原則1国1開催の為、各国名GPと言った名前が付けられていましたが、2018年より運営権を持つ会社が変わった為、今後1国複数開催が実現される可能性もあります。
12のチームより、22人のドライバーが参加しており、テストドライバーやリザーブドライバーも含めると、もう少しドライバーは増えますが、それでも世界のほんの一握りの選ばれたドライバーしか乗ることの出来ないカテゴリとなっています。
参戦する為には、スーパーライセンスといったライセンスが必要になり、このライセンスの取得には、FIAの認定大会にて規定のポイントを獲得する必要があります。
スーパーライセンスの有効期間は12か月で、更新が必要となり、条件を満たせない場合はFIAによる審査が必要になります。
近年では、2018年シーズンにSUPER GT・SUPER FORMULA両シリーズでダブルチャンピオンを獲得したホンダの山本尚貴がスーパーライセンス発給条件を満たしてこれを獲得、2019年日本GPにてトロロッソホンダよりフリー走行に出走し、2014年の小林可夢偉以来となる日本人のF1出走となりました。
予選はノックアウト方式で行われ、Q1上位15台がQ2、Q2上位10台がQ3、Q3の順位がそのままスタートグリッドとなります。
決勝はスタンディングスタートで行われます。
DRSと言う可変ウイングを使用したオーバーテイクシステムが採用されており、前走車と1秒以内に接近した場合に、リアウイングを可変させて寝かせることで空気抵抗を減らして最高速を伸ばし、オーバーテイクを促すと言ったシステムになります。
FIA世界耐久選手権(WEC)
FIAの開催する、耐久選手権最高峰シリーズとなります。
1シーズン全8戦が世界各国で開催され、日本でも富士スピードウェイにて6時間レースがシリーズ戦として開催されます。
有名なル・マン24時間レースなどもこのシリーズ戦となります。
ル・マンプロトタイプ(LMP)と呼ばれる専用のレーシングカーと、ル・マン耐久グランドツーリングカー(LMGTE)と呼ばれる市販車ベースの競技車両が参戦しており、LMPではさらにLMP1、LMP2。
LMGTEでProとAmにクラスが分かれます。
日本人ではTOYOTA GAZOO RacingよりLMP1にTS050 7号車に小林可夢偉、同8号車に中嶋一貴が参戦。
LMP2のハイクラスレーシング 33号車に山下健太が参戦しています。予選は各クラス1セッション20分で行われ、ドライバー2名のベストタイムの平均タイムが予選記録となります。
決勝はローリングスタートで行われます。
2018年にル・マン24時間レースでTSO50 8号車が勝利し、1991年のマツダ787B以来の日本勢に優勝をもたらしました。
翌2019年も8号車が優勝し、連覇を成し遂げています。スーパー耐久(S耐)
スーパー耐久は、市販車に改造を施したツーリングカーを使用して行う耐久レースです。
国内サーキットで全6戦が行われるシリーズ戦となります。
8クラスに分けられますが、全クラスの車両混走によってレースは行われます。
レギュレーションの都合で、スーパーカーと言われる部類の車両は参加が難しくなる為、より身近な市販車のレースとなっており、改造可能な範囲も限定的な物とされています。
極一部を除き、参加チームのほとんどがプライベーターとなっており、参戦に対する敷居も他のレースと比べると比較的低い物となっている為、様々な車両が参加しています。
2018年より、富士ラウンドでは24時間レースが行われ、国内レースにおけるちょっとしたお祭りとなっています。
予選はAドライバーとBドライバーに分けて行われ、その中でさらにクラスによって走行可能時間が決められています。
A・Bドライバーのベストタイムの合算タイムが予選結果となり、スタートグリッドが決定されます。
決勝は2列の隊列を形成したまま、ローリングスタートで行われます。
鈴鹿10時間耐久レース
真夏に鈴鹿サーキットにて行われる、10時間耐久レースです。
2018年より開催され、それ以前は鈴鹿1000kmレースとして長年親しまれて、特に2006年以降はSUPER GTの鈴鹿ラウンドとして行われていた為、人気の高いレースでした。
現在は、GT300クラスの車両をはじめとする、GT3車両の世界統一戦と言った位置づけで開催されていますが、まだ開始されたばかりなのもあり、参戦チーム集めや集客などに関しては苦戦が見られます。
レースウイークに鈴鹿市内で参戦車両のGT3カーでパレードを行ったり、泡フェスなる物を行ってみたり、元F1ドライバーなどの有名ドライバーを参戦招致したり、あらゆる名目で観戦チケットを無料配布しまくったりと、迷走と涙ぐましい集客努力が見受けられます。
個人的には、SUPER GT時代から比べるとイマイチ魅力が感じられず、中々現地まで足が伸びない物があるのですが。
決勝開始時間が10時、チェッカーが20時で、表彰式やのセレモニーやの花火やのを見てると21時半位を確実に回ることになり「都内からの日帰り観戦を可能に設定した」と開始当初に偉い人が仰っていましたが、ちょっと無理がありますよ旦那。
いっそ8時スタート位にすればいいと個人的に思いますが。予選はノックアウト方式で行われ、決勝はローリングスタートにて開始されます。
全日本プロドリフト選手権(D1)
2001年より開始された競技会になり、通常のレースが速さなどを競うのに対し、D1はドリフトのテクニックや美しさを競う競技となっています。
発案者はレーサーの土屋圭市で、彼がドリフトキングと呼ばれることに由来されます。
単独で走行する単走と、2台で走る追走で競技が行われ、美しさやテクニックをポイントで競います。
ドリフトと言った競技の特性上、限られたスペースでの開催が可能となる為、サーキット使用時もフルコースは使用せずに指定区間を使用したり、駐車場の特設コースを使用したりして開催されます。
関西では、大阪の舞洲スポーツランドの駐車場特設コースにて開催されるシーズンもあります。
プロのレーサーだけではなく、普段は会社員をしてるような完全アマチュアレーサーなども参加しています。
Moto GP
二輪ロードレースの世界選手権、最高峰のレースシリーズとなります。
世界各国を転戦するシリーズ戦となっており、全19戦が行われ、日本では秋に、ツインリンクもてぎにてシリーズ戦が行われます。
MotoGP、Moto2、Moto3の3クラスに分けられます。
MotoGPが1000cc、Moto2が765cc、Moto3が250ccとなっており、レースはMoto3→Moto2→MotoGPの順番で行われます。
全ての車両はレース専用に作られた車両となります。
予選は、フリー走行中のタイムによってQ1、Q2に振り分けられ、上位10台はそのままQ2へ、それ以下のマシンでQ1が行われ、上位2台がQ2へ進みます。
Q2の順位がそのままスタートグリッドの順番になります。
決勝は45分程度の時間に収まるように設定され、行われます。
FIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)
バイク乗りのみんなが大好きな夏のお祭り、8耐です。
FIMの世界戦シリーズのひとつとして開催され、2017年以降は同選手権の最終戦となっている為、中継では国際映像が使用され、レースのトップ争いよりも、同選手権の優勝争いに焦点を当てたカメラワークが多くなる為、非常に見にくい(個人的感想)
このレースの為に、国内からも多くのワークスチーム・プライベーターが参加し、参加するチームにとっても特別なレースとなっています。
2020年には65チームが参加予定で、これだけの数がスタートグリッドに並ぶ様は圧巻となります。
予選は3グループに分けられて行われ、上位10台によるTOP10トライアルが行われ、1台ごとに個別にアタックしてタイムを競い決勝のスタートグリッドが決定されます。
決勝は、ピットウォール側にマシンを並べ、コース反対側にライダーが待機し、グリーンシグナルと共に一斉にマシンへ走り飛び乗りスタートする方法となります。
グリッドが良くても、ここで何か失敗があると一気に順位を落としてしまう為、非常に難しい反面、観戦するほうは見ていてワクワクするスタートになります。
決勝も楽しいですが、予選の特にTOP10トライアルはおすすめなので、観戦に行く場合は是非予選日から現地入りして楽しんでもらいたいです。
レース期間中は8フェスといったアーティストを呼んだプチフェスの開催や、新型車両の試乗会、モトクロス車両のパフォーマンスが行われるなど、レース以外にも見どころが沢山あります。
全日本ロードレース選手権(MFJ SUPERBIKE)
日本における二輪車ロードレースの最高峰レースとなります。
年間8戦のシリーズ戦で、日本国内のサーキットを転戦して行われます。
全部で4クラスがありますが、全戦開催されるのはトップクラスのJSB1000のみとなりますので、この項では同クラスをメインに説明します。
ワークスチームとプライベーターが参加しています。
予選は基本的にはノックアウト方式が取られ、決勝はスタートグリッドよりスタンディングスタートとなります。
日本国内の主要サーキット
観戦可能なレースを紹介しましたが、日本国内には主要なサーキットはいくつあるのでしょうか?大小様々なサーキットがありますが、主に紹介した大きなレースイベントが開催されるサーキットに焦点を当てて紹介します。
筑波サーキット(茨城県下妻市)
全長が他の国際規格サーキットと比べると短く、かつては全日本ツーリングカー選手権なども開催されていましたが、現在4輪の主要レースは開催されていません。
主にプライベーター御用達のサーキットとなっており、特に筑波サーキットでタイムアタックを行っているプライベーターのことを「筑波アタッカー」などと呼び、このサーキットのタイムが一つの指針となったりもします。
主な開催レース
全日本ロードレース選手権
ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)
オーバルコースとロードコースを併せ持つ、珍しいサーキットです。
比較的ストップ&ゴーが多く、オーバーテイクポイントが少ない為、単調なレース展開になりがちですが、90℃コーナーから最終コーナーにかけて並走して譲らないレース展開などを拝めることもあります。
主な開催レース
SUPER GT
SUPER FORMULA
ロードレース世界選手権
全日本ロードレース選手権
スポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)
路面が比較的汚かったり、降雨時には川が出来やすかったり「菅生には魔物がいる」と言われるコースです。
最終コーナーからメインストレートにかけて大きな上り勾配からの下り勾配になっており「馬の背」と呼ばれるポイントが特徴になります。
最終コーナーをアウトに行き過ぎるとグリップせずに飛び出したりすることも多く、難しいコースでもあります。
主な開催レース
SUPER GT
SUPER FORMULA
スーパー耐久
富士スピードウェイ(静岡県駿東群小山町)
日本の誇る2大国際サーキットの一つにして、トヨタの本拠地になるサーキットです。
最大の特徴は国内最長のロングストレート(1475m)ですが、立地の関係上天候の影響を受けやすく、霧などが発生しやすくなります。
SUPER GTにおいては、通年2ラウンドが開催され春先に300kmレース、夏場に500マイルのレースが行われます。
このコースでは異様にGT-Rが強く、立川祐路のドライブ中のZENT 38号車のブレーキが度々抜けて突っ込んだりと、たぶん長いストレートのせいなんでしょう。
モータースポーツの他にも、東京オリンピックでは自転車競技にて使用される予定もあります。
主な開催レース
SUPER GT
SUPER FORMULA
FIA 世界耐久選手権
スーパー耐久
全日本プロドリフト選手権
鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
日本の2大国際サーキットの一つです。
現在F1日本GPは鈴鹿サーキットで開催されています。テクニカルコースであり、それだけタイヤへの負担も高いサーキットにもなります。
世界中のドライバーの憧れのサーキットでもあり、鈴鹿をドライブしてみたいと言うドライバーは現在も多くいます。
様々な主要レースが行われ、国内のサーキットにしては割と市街地にあり、比較的アクセスも良いほうではあるので、利用する側としては便利なサーキットとなります。
主な開催レース
F1
SUPER GT
SUPER FORMULA
鈴鹿10時間耐久
鈴鹿8時間耐久
全日本ロードレース選手権
岡山国際サーキット(岡山県美作市)
かつてはF1も開催されたこともある、国際規格のサーキットにもなります。
2020年現在も、コースレコードは当時のアイルトン・セナのF1による記録になります。2本の長いストレートを持つテクニカルコースになります。
設備は良くなく、アクセスにも難がありますが、コースと観客席が比較的近くにあるので、観戦する分にはなんともトントンといった所でしょうか。
あと観客の民度にちょっと問題があるのもよく言われる点ではあります・・・・
主な開催レース
SUPER GT
SUPER FORMULA
スーパー耐久
全日本ロードレース選手権
オートポリス(大分県日田市)
九州唯一の国際レーシングコースになります。
高低差の激しいテクニカルコースで、非常にタイヤに厳しくなります。
このコースは珍しく、コース外側にピットが配置されているのも特徴の一つとなります。
立地上アクセスは非常に悪くなりますが、その分人は比較的少なく、観戦自体は他のサーキットよりも快適に行える傾向にあるようです。
主な開催レース
SUPER GT
SUPER FORMULA
スーパー耐久
全日本ロードレース選手権
全日本プロドリフト選手権
一般の車検とモータースポーツの車検の違い
モータースポーツにおいても、車検があるのをご存じですか?
一般的に、普段みなさんが私達整備工場等に依頼して頂いてる「車検」と、モータースポーツにおける「車検」は内容や意味が違ってきます。
では、どのように違うのでしょうか?
一般的な車検
普段、私達の行う車検は、公道を走行する為に、道路運送車両法の保安基準に自動車が適合しているかを定期的に検査する目的で行われています。
保安基準に適合しない箇所がある場合は修理を行う必要がありますし、車検毎に重量税や自賠責保険料、検査手数料などを支払う必要があります。
普段、そんなに整備などはされないと思うので、車検の時に車両をきっちりと整備して、その上で検査を通すのが一般的な車検になります。
モータースポーツにおける車検
モータースポーツ界でのレース車両に実施される車検については、車両が当該レースの規則に則っているか、安全装備等の確認が主に行われます。
通常、レース前車検とレース後車検の2回車検が実施されますが、レースによってはその外にも複数回車検が行われることがあります。
レース後の車検では、パークフェルメと言われる保管場所にまずチェッカーを受けた車両が保管され、そこから車検が行われます。
パークフェルメに車両が移されてから、レースの正式な結果が出るまでは、ドライバーやチームのスタッフも車両に触れることは一切出来ません。
ここで改めて、車両に規則違反等がないかの確認が行われます。
ここでもし違反等が発見された場合には、失格等の処分が行われ、順位等に影響が出てレース結果が変更となります。SUPER GTを例に挙げますと、まず公式車検が行われ、予選日の早朝に公開車検、予選後に車検、決勝レース後の車検と4回の車検が行われることになります。
観戦を楽しもう!
どのようなレースが観戦可能なのか、どんなサーキットで開催されているのかを見てきましたので、次は観戦を楽しむ方法を紹介していきたいと思います。
チケットの購入方法と種類
レースの観戦チケットにはどのような種類の物があるのでしょう?購入場所は?
これらは、各サーキットごとに異なる物になりますが、大体意味合いが共通していたりするチケットなどもありますし、レース毎でもチケットの種類設定は違っていたりもします。
例を一つ挙げると、SUPER GTにしても、富士・鈴鹿・岡山でそれぞれ発売されているチケット種類は違う物になり、設定がないチケットもあります。
購入方法は、基本的には各サーキット公式サイト等で案内されていることが多く、オンライン購入やコンビニ等のチケット購入機での購入が可能なチケットも多くあります。
チケットには観戦や座席に関するチケットと、オプションのチケットがあります。
エリアや席で分けられているのですが、指定席などになっている箇所を除いては自由席になり、F1以外では自由席がサーキットの大部分を占める為、基本的には観戦券を購入すればサーキットに入場して、レースを観戦することが出来ます。
関西圏から一番行く機会の多くなる、鈴鹿サーキットを例に見ていきましょう。
大体、チケットの発売開始はレース開始の二か月位前に開始されることが多いですが、F1や8耐などの大きなレースの場合は、比較的早い時期から発売されます。
人気のレースでは、チケットの種類によっては発売開始と同時に瞬殺完売も当たり前にあるので、お目当てがある場合は開始時間前より張り付いて購入戦争をする必要があります。
特にVIP系の高級チケット、ピットウォーク、前売り駐車券が瞬殺の争奪戦になります。
観戦チケット
基本の観戦になるチケットです。
サーキットへの入場などに必要になります。レースウィークの金曜または土曜から日曜まで有効で、2日または3日通しのチケットになります。
鈴鹿サーキットですと、観戦券に遊園地の入場券もセットで付帯してきます。自由席のみで観戦するのであれば、こちらのチケットだけで観戦が可能な場合が多いです。
指定席、エリア指定チケット
指定席、またはエリアを指定した観戦チケットです。
当日の席取りなどの必要がない為、ゆっくり余裕を持って観戦することが出来ます。
指定席の種類や、エリアになどによって金額が変動します。
個人的には、指定席チケットまでは最低限取っておいたほうが余裕を持って楽しめるのでおすすめになります。
自由席は本当に席取り合戦になります。
ファンシート、応援シート
特定メーカーやチームのファンシートです。
一箇所に同メーカーやチームのファンが固められているので、同じファン同士でワイワイ観戦したい人におすすめです。多くの場合は、観戦券、ファンシート指定席、応援グッズがセットになった物となります。
場合によっては、レース開始前にドライバーがファンシートを訪れる特典などが付いている場合もあります。
全体的に、ホンダは応援グッズがちょっとショボイ傾向にあります(小声)
VIPスイート
文字通り、VIPルームのラウンジにて観戦が出来るチケットです。
ピットビルに入場出来たり、パドックパスも付属していたり、なによりグリッドウォークとサーキットサファリに入場できる場合が多いのが一番の魅力になります。
その他にも、フリードリンクや特別ランチコース、駐車券に記念品など、まさに全部盛りのVIP待遇が味わえます。
ホスピタリティラウンジ
VIPよりは一段落ちますが、専用ラウンジにて観戦が出来るチケットです。
サーキットサファリやパドックパス、ランチや駐車券などが付属してきます。
専用モニターも設置されている為、レース展開などもわかりやすく観戦が出来ます。
ファミリーラウンジ
ホスピタリティラウンジのファミリー向けバージョンです。
こちらは、子供連れ前提の利用となっているので、大人のみでの利用は出来なくなっています。
ホスピタリティテラス
ピットビル3階、2階のテラス席からの観戦チケットです。
ピットビルに入るのに必要になるので、パドックパスも付属します。
VIPからホスピタリティテラスについては、ピットウォークの際に優先入場も付帯してきます。
ここからオプションチケットになります。
パノラマルーム
グランドスタンド側の上部に設置された、個室パノラマルームの使用チケットです。
グリッドウォーク、ピットウォーク、駐車券が付属してきます。
1部屋単位での購入になります。
パノラマテラス
パノラマルームのテラス席バージョンになります。
パドックパス
ピットビル側、パドックエリアへの入場が可能になるチケットです。
ピットの裏側などにも入れるので、ドライバーなどに会えたり、ピット作業を裏側などから見たりすることが出来ます。
パドックパスでピットウォークへの入場も可能です。
オプションチケットの中では、個人的にかなりおすすめのチケットになります。
ピットウォーク
ピットウォークイベントへの入場チケットです。
基本的には、土日で各日別のチケットになっています。レース前のピットで間近にマシンを見学出来たり、ドライバーのサイン会などファンサービスが行われます。
駐車券
サーキット内の駐車場への前売り駐車券です。
土日二日間有効になります。早い時間にサーキット入りをすれば止められることもありますが、比較的すぐに満車になりやすいので、こちらを購入しておけば駐車場難民や、近隣の民間駐車場でお高い料金を取られずに済みます。
8耐決勝日やSUPER GT決勝日など、酷いと朝6時代に満車になったりすることがある為、前売り駐車券も是非購入しておきたいチケットになります。
レースウィークについて
モータースポーツは一般的に、週末の土日に開催されますが、チームやドライバー達は週の中頃から準備を始めており、このレースが開催される一連の流れを「レースウイーク」と呼びます。
私たちが観戦などが出来るのは、一般的には金曜日のフリー走行などからが多くなります。
レースウイークの流れとしましては
水曜日
現地入りマシンや機材の搬入、ピットの設営など。
木曜日
引き続き設営作業などの他、マシンのチェックやセットアップなど。
金曜日
フリー走行、走行の結果を見ながらコースに合わせたマシンのセットアップ。
(2レースの場合は、予選レースが行われることがあります)土曜日
フリー走行、マシンのセットアップ。予選レース。(2レースの場合は決勝レース1が行われることもあります)
イベント
ピットウォーク、トークショー、オープンピット、サーキットサファリなど。
日曜日
フリー走行、最終セットアップ。決勝レース。
イベント
ピットウォーク、トークショー、オープンピット、グリッドウォーク、サーキットサファリ、ホームストレートの開放など。
フリー走行や予選レース、決勝レースなどの合間の時間で、各種イベントが行われる為、ドライバーなどは比較的ハードなスケジュールとなります。
レースウイーク中のイベントについて
レースウイーク中は、サーキットで様々なイベントが行われます。
ピットウォーク
基本的に、土日に複数回行われることが多く、レース前のピットを開放し、ピットレーン内を自由に見て回ることが出来るイベントです。
各チームが配布物を出したり、ドライバーのサイン会を開催したりと、ファンサービスが主な内容となります。
人気ドライバーのサイン会等になると、VIPなどの優先入場分で締め切られたりすることも多々あります。
非常に人気なイベントになり、チケットも一般的に単体で発売されることが多いので、SUPER GTや8耐などの人気レースでは、チケット発売開始と共に瞬殺で売り切れます。
完売まで1分掛からないとかザラです。
ピットウォークの入場は、並んで行うのですが、大体30分前には結構な列になっていることが多いので、お目当ての物などがある場合は、せめて1時間前には並んでいたいものです。
キッズピットウォーク
通常のピットウォークと違い、子連れ限定のピットウォークイベントになります。
通常は人が多く、小さい子供などを連れた状態ではピットウォークを回るのが難しい為、それに配慮したイベントとなり、言わば主役は子供になります。
キッズピットウォークは基本的に専用のチケットが不要で、観戦券があれば無料で参加出来る場合が多く、主に中学生以下の子供さんを連れた家族が対象となります。
キッズピットウォークならではのイベントとして、サイン会の他にドライバーとの写真撮影なども開催されます。
将来の観客又はドライバーを目指してくれる子供の発掘に、非常に有効なイベントだと思います。
サーキットサファリ
各マシンがフリー走行を行っている最中のコースを、専用のバスに乗ってコース上から見学出来るイベントです。
間近をマシンが走り抜けていく為、非常に見ごたえがあります。
比較的上位チケットに付帯しており、単体発売などがされていないことが多い点が欠点でしょうか。
グリッドウォーク
決勝レース開始前に、ホームストレート上のスタートグリッドに各マシンが並んで、ドライバーやチームスタッフ達が最終の準備をしている状態のコースに入場出来るイベントです。
多くのドライバーやマシンを本当に間近で見られる上、レース直前のコースに降りられるので、非常に人気のイベントです。
こちらも、上位チケットに付帯で単体販売されることはほぼありません。
一部サポートレースのグリッドウォークなどは単体でチケットが販売されることもあります。
トークショー
鈴鹿サーキットの場合ですと、GPスクエアの各イベントブースなどで、監督やドライバーを招いてのトークショーが開催されます。
観覧は無料で、場所も早いもの勝ちなので、人気ドライバーなどのトークショーになると、かなり早い時間から場所取りをしている人なども見られます。
オープンピット
予選日の早朝に、公式車検の様子が公開されることがあります。
オープンピットでは、この公式車検の様子をピットレーンから見学することが可能になります。
入場にはパドックパスが必要になりますが、普段見られない車検の様子を間近に見ること出来ます。
ホームストレート開放
決勝レース終了後、走行したてのマシンがホームストレート上に並び、ホームストレートが開放されてマシンを間近に見ることが出来ます。
表彰式が終了後に開催される場合と、解放後に表彰式を行い、間近で表彰式を見られる場合とがあります。
8耐なんかですと後者になり、表彰ライダーがグローブやブーツを投げてくれたり、観客に派手にシャンパンファイトをぶっ掛けてくれたりします。
走りたてのコースなので、タイヤカスなんかも落ちており、記念に持って帰ったりしてる人もいます。
打ち上げ花火
主に暗くなってから終了する耐久レースなどでは、終了後に打ち上げ花火が上がります。
ホームストレートに降りて見る花火は乙な物です。
むしろ花火みないと終わった気がしない。観戦するに当たってあると便利なグッズ
右も左もわからず、初めてレースを観戦に行った時などは、基本的に準備などはしていかない物と思います。
私もそうでした。
あると便利、ないとしんどい、現地調達が難しい物など、観戦を快適にするグッズを紹介します。
クーラーボックス
夏場のレースの必需品です。
飲み物やアイスクリームなど、熱さ対策に冷たい状態を維持出来るのは非常にありがたくなります。
現地で調達しなくても、持ち込みの飲み物を冷やしておける点が非常に大きいです。
飲み物
通年水分は必要ですが、特に夏場のレース観戦には必須となります。
現地でも自動販売機や売店などで購入は可能ですが、サーキット価格は通常よりお高くなります。
また、物によっては非常に売り切れになりやすく、特にスポーツドリンクは夏場は瞬殺です。
出来れば持ち込みの飲み物があると、安く済んで飲み物難民にもならずに済みます。
座布団、クッション
サーキットの座席は結構固いです。
野球場とかの観戦席より、若干しんどいのを想像して頂ければいいかなと思います。そこで、長時間の観戦の際にはクッションや座布団など、お尻の下に敷くものがあると快適になります。
むしろ、これかが無いと耐久レースで席によっては、見る側もお尻の耐久レース状態になります。
帽子やサングラスなど日よけグッズ
ずーっとVIPやラウンジなんかの屋内で観戦する場合はいいんですが、基本的にそうでない人のほうが多いと思いますので、屋外での観戦には帽子などがあると便利になります。
鈴鹿の場合は、グランドスタンドの上段のほうは、時間によっては日陰になりますが、終日日陰にはなりませんので、どうしても直射日光に晒される時間が出来ます。
熱中症などの防止の為にも、帽子などはあったほうがいいですし、サングラスも太陽が気になる場面も結構ありますので、あると便利です。
ファンシートや応援席などを購入している場合は、付属の応援グッズに帽子が入っていることが多いです。
アテにして持っていかないと、旗だけだった・・・・なんてこともありましたが。
ポンチョ、カッパ
サーキット内では、傘は風などに煽られてコース上に落下する可能性があるので、原則使用禁止になります。
雨のレースなど、基本的にどこの席も雨に晒されることになりますので、この辺りは必須装備になります。
グランドスタンド上段席の特定の列より上は、よほど吹き込まない限りは濡れないエリアもありますが、比較的長時間直射日光が当たらないエリアにもなりますので、わかっている人達が早い段階で買ってしまって中々指定席の購入が難しかったりします。
チケットホルダー
指定席や指定エリアのチケットを購入している場合は、出入りするのに通路などでチケットの確認があります。
いちいち出したり入れたりするのも面倒ですし、チケットをそのうち無くしたりなんてことも無いとは言い切れないので、チケットホルダーがあると便利でスムーズになります。
チームの物など、色々なデザインのチケットホルダーが販売されていますので、応援グッズの一つになりますし、サイン会なんかでサインして貰う物としても重宝します。
おすすめのグッズの一つです。
小型ラジオ、ラジオアプリ
サーキットの多くは、場内でサーキットラジオを流していることが多いです。
サーキットラジオでは、レースの実況などが聞ける為、ラジオを使用することで、より詳細な情報を把握しながら観戦を楽しむことが出来ます。
普通に場内放送でも常に実況は流れているのですが、正直、近くをマシンが通過している時は何言ってるのか全く聞き取れません。
タブレット
理由として、上記ラジオと似たような物になるのですが。
サーキット内各所には、サーキットビジョンが設置され、中継映像が流されている為、レース状況を細かく知ることが出来るのですが、見える席と見にくい席、そもそも見えない席もありますので、必ずしも見れる訳ではありません。
サーキットビジョンが見れないと、場内放送でどこかしらで何か起こっているのはわかるのですが、一体何がどうなっているのさっぱりわかりません。
広いサーキットなので、実際に肉眼で見える範囲と時間は限られますし、やはり映像の有無は観戦時に大きな物になります。
オンデマンド配信などを見れる環境にあるタブレットやスマートフォンがあると、サーキットビジョンの縛りから解放されるので、好きな所で好きなように観戦出来るのでおすすめです。
こんなこと言いつつ、私は持って行かないので、基本グランドスタンドのサーキットビジョン真正面に毎回陣取っていますけど。
大き目のカバン
ファンシートなどに付属の応援グッズ、持ち込んだり現地で購入した応援グッズ、ピットウォーク等で貰った配布物、購入したおみやげなど、なんだか気が付いたら意外と大荷物になっていることがよくあります。
身軽に動きたくて軽装で行くものわかるのですが、大き目のカバンは一つあると便利になります。
複数人で行く場合でも、せめて一人位は持っていくようにするといいでしょう。
サポートレース
各レースでは、メインのレースの他に「サポートレース」と呼ばれる、所謂前座のレースが行われます。
サポートレースは金曜日予選レースで土曜日に決勝レースが多いですが、日曜のメインレース前に決勝レースが行われることも多くあります。
下位カテゴリやワンメイクレースほど、早朝などの速い時間帯や土曜などに決勝レースが行われる傾向にあります。
サポートレースと言っても、シーズン戦を展開している中の1戦であることがほとんどで、中には国際レース規模の物がサポートレースとして行われる場合もあります。
2018年、2019年のSUPER FORMULA最終戦で、サポートレースとして開催された世界ツーリングカーカップ(WTCR)などがいい例になります。
基本的には、SUPER FORMULA LIGHTS(旧全日本F3選手権)、F4,86・BRZレース、ポルシェカレラカップジャパン、ヴィッツレース、N-OENレースなどのレースがサポートレースとして開催されます。
いよいよレース観戦
さて、準備が出来た所でいよいよレースの観戦本番です。
鈴鹿サーキットでの、実際の観戦の流れを見てみましょう。
金曜日
金曜日はサーキットでは終日サポートレースやメインレースの練習走行などが行われます。
本当にレース好きな人は金曜から現地入りをして練習走行などを見学している人もいますが、各種売店や屋台などがまだ金曜日ですよ開いていないことがほとんどなので、純粋にマシンの走行を眺めたい人にはいいかも知れません。
鈴鹿サーキットの金曜練習走行は、遊園地の入場券でそのまま見学が可能なので、興味本位で見に来た家族連れなんかもチラホラと見かけます。
土曜日
土曜日は予選日になります。
ここから本格的な観戦日のスタートと言ってもいいんではないでしょうか。土曜から泊りで現地入りする人ってそんなにいるの?と思われそうですが、レースは予選からすでに始まっていますし、予選レース自体でも見ていて楽しい物になりますので、かなりの人が土曜日より現地入りしています。
一例で見ると、2019年のSUPER GT、鈴鹿ラウンドの入場者数が、予選日2
万1000人、決勝日3万6000人になります。
ゲートオープンは大体7時位の場合が多くなりますが、駐車場にはもっと早い時間より、多くの観客がやってきています。
ゲートオープン30分前には、すげにゲート前に入場待ちの列がそこそこな長さで形成されている場合が多く、ゲートオープン直後にしか参加できないイベントなどもありますので、目的がある場合は早く並ぶ必要があります。
まず、早朝よりオープンピットが開催されます。
8時台に入るとサポートレースの予選が行われることが多く、その後9~10時台にかけてメインレースの練習走行などが行われます。
メインレースの練習走行後、お昼に掛けてサポートレースの予選が再び行われたり、サーキットサファリ等のイベントが行われます。
お昼時に土曜日のピットウォークが開催されることが多くなります。
のんびり予選や他のイベントを楽しむのか、早目にピットウォークに並ぶのか悩みどころです。私の場合ですと、12時ピットウォーク開始とした場合、11時過ぎにはピットウォークに並びに行きます。
鈴鹿サーキットのピットウォーク入場列は、メインストレート下のトンネルから観覧車方面へと列が伸びるのですが、トンネル内に入ることが出来れば雨風を凌げますし、夏場は暑さも全然違うので、特にお目当てがなくても早目に並ぶようにしています。
実際にピットウォークに入ってみないと、どのチームがサイン会などを開催しているかもわからないので、早目に行っても基本的に損はないと思います。
特に目的なくフラッと早く入って、応援しているドライバーのサイン会に並べたこともありますし、サイン会は比較的早期に定員に達して打ち切られやすいので、後から入って「あのドライバーサイン会やってたんや!」と悔しい思いをすることも減ります。
昼からは、まずサポートレースの決勝レースが行われることが多くなり、その後、いよいよメインレースの予選レースが行われます。
15時前位~16時台の1時間程で予選レースが行われ、ここが土曜日のメインイベントとなります。
メインレースの予選レースが行われた後は、サポートレースの決勝レースや、キッズピットウォークなどが行われます。
ここまではサーキット上の一連の流れですが、GPスクエアでも1日を通して多くのイベントが土曜日から開催されます。
まず、食べ物の屋台や各種公式グッズショップなどが開設され、協賛メーカーや参加チームのブース、歴代レーシングマシンや最新車両の展示なども行われたりします。
各ブースでは、監督やドライバートークショー、レースクイーンの撮影会やトークショー、ゲストのトークショーやサイン会なども行われます。
色々なグッズを見て回ったり、おみやげを買ったり、日曜日もGPスクエアは賑わいますが、やはり決勝レースが開催される関係上、土曜日のほうがGPスクエアを楽しみやすくはなります。
日曜日
日曜日もゲートオープンの時間は概ね土曜日と同じ位です。
一点違うのは、レースによっては決勝日の日曜日は、サーキットの駐車場が満車になるのがえげつない早いです。
かつて、8耐決勝日に6時満車って言うのを見たことがあります。
逆に、SUPER FORMULAなんかですと、11時前位に行っても普通に入れたりします。満車が怖い人は前売り駐車券争奪戦に参加しましょう。
早朝一発目はサポートレースの決勝レースが行われることが多いですが、行われずにメインレースのフリー走行が行われることもあります。
メインレースのフリー走行後に、サポートレースの決勝レースがまたやってきます。
日曜日のピットウォークは、午前の比較的早い時間に開催される場合と、お昼の間に開催されるパターンがあります。
お昼を挟んで、13時前位から、メインレースのスタート進行が開始します。
各チーム選手の紹介や、フリー走行後にマシンがスタートグリッドへ整列、そこからグリッドウォークなどが開催されます。
メインレースは14時台スタートの場合が多いですが、耐久レースなどの場合は午前中スタートになります。
SUPER GTやSUPER FORMULAの場合は、16時台、大体2時間半ほどでレースが終了します。
チェッカーの後、グランドスタンド前かピットビルの表彰台にて表彰式が行われ、ホームストレート上にマシンが並び、ホームストレートが解放されます。
ホームストレートに降りる為には、グランドスタンドのV1と呼ばれるエリアから降りていくのですが、チェッカー直後から、ホームストレートに降りる人達、表彰式を近くで見たい人達でV1への大移動が始まります。
ノンビリ余韻に浸ったり、マシンのウイニングランを眺めるのもいい物ですが、後のイベントを優先したい人は、本当にチェッカー直後にV1表彰台前へ移動するのをおすすめします。
ホームストレートへの入場が始まる頃には、どこまで並んでるのこれ?って位入場列が伸びて、延々と並ぶことになります。
チェッカーからストレートに降りるまで、目安4,50分位は最短で掛かるので、しんどい人は大人しく元の席でゆっくり見てるのもいいと思います。
ホームストレート解放後40分位は、人がごった返すのでまともに写真を撮ったり近くでマシンを見るのが比較的難しい状態になります。
早く帰りたい人は早く降りて楽しんで、時間に余裕のある人は、いっそホームストレート上の人が疎らになってくるまで待つのもアリです。
日曜日も、GPスクエアでは土曜日と同様に様々なイベントが開催されます。
お昼時は特に食べ物の屋台は非常に混み合い、長い列が出来るので、ちょっと時間をズラすのがおすすめです。
さて、レースも終了して、満足して家路に付きたい所ですが、サーキットからの脱出もまた一つの山場になります。
マイカーで来場している場合は、想像して頂けると思いますが、駐車場内と周辺道路が大渋滞になります。
出る方面と選択する道路にもよりますが、通常20分位の距離に到達するのに1時間半位掛かったりします。
サーキットを出る前にトイレ等は済ませておくのをおすすめします。
電車を利用する場合は、近鉄白子駅と伊勢鉄道鈴鹿サーキット稲生駅が最寄駅となります。
バスが出ているのですが、道路の渋滞で時間が掛かるのと、バスの乗車定員には限りがありますので、乗れないで次のバスも中々来ない、来ても進まない等、歩いたほうが早いとまで言われています。
目安、乗車待ち時間や渋滞なども含めて、近鉄白子駅までバスで1時間半~2時間程度掛かったりするようです。
ちなみに、鈴鹿サーキット稲生駅まで徒歩約20分、近鉄白子駅まで徒歩1時間ちょっと掛かります。
鈴鹿サーキット稲生駅には、大きなレースの場合は開催日に臨時の快速が停車することがありますし、近鉄白子駅には特急が停車します。
サーキットから家に帰りつくまでがレース観戦となるので、最後まで気を抜かずに家まで帰りましょう!
ちなみに、私は日曜日に思いっきり楽しんだ後に、帰り進行が非常にしんどいので、大体日曜日鈴鹿周辺泊で設定してレース観戦に出かけています。
一連の流れを見てきましたが如何でしたか?一番おすすめの観戦方法としては、土曜日の午前から現地入りして予選日を楽しんで現地泊、日曜日の決勝レースも楽しんで同現地泊で、月曜にのんびり帰るのがおすすめです。
むしろここ何年かこのパターンの観戦スタイルが多いです。
特に8耐の場合は、予選日こそ見所が沢山あっておすすめになるので、是非とも土曜日から現地入りして楽しんでもらいたいです。
SUPER GTは、鈴鹿サーキットの場合、決勝日のスケジュールが結構スカスカなので、ピットウォークを購入してなくて駐車場もなんでもいいよって人は、昼過ぎ到着で十分だと思います。
サーキットにいるだけで、雰囲気も楽しめますので、早く行ってもそれはそれでいいものでもあるのですが。
モータースポーツを自分でやってみよう!
これまでは観戦のお話をしてきましたが、自分でモータースポーツをやってみたい!って人の為に、今度は実践編をお届けします。
モータースポーツと言っても、様々な競技やジャンルがありますし、バイクと自動車でも分かれます。
サーキットなどで遊ぶ方法や、ストリートで遊ぶ方法もあります(公道での暴走行為は犯罪です)
走行会などに参加して遊ぶ場合や、本格的に競技の世界に入る場合など、選択肢は本当に様々です。
まずはどのような競技があるのか見てみましょう。
レーシングカート
一番お手軽に挑戦しいただけるのが、レーシングカートになると思います。
カートコースなどでレンタルカートなどに乗って楽しむことも出来ますし、本格的にカートレースの競技の道に進むことも出来ます。
現役で活躍する多くのプロレーシングドライバーも、キャリアの最初はレーシングカートから始まっている人が多くなります。
レンタルカートでしたら、5,6000円ほどでとりあえず乗ってみれるので、是非一度体験してみて頂きたいと思います。
競技として、レーサーを目指してレーシングカートを始める場合には、幼少の頃から競技会などに参加し、地方選手権、全日本選手権とステップアップして行くのが一般的です。
レースの規定にもよりますが、早いレースですと5歳からの参加が可能で、一般的には8歳から参加可能なレースが多くなるようです。
地方選手権で年間200万円程、全日本選手権に参戦すると、年間1000万円程掛かると言われています。
ストリート
一般市販車等で峠なんかを攻めたり・・・するのは犯罪なのでいけません。
クローズドコースで峠を攻めたり出来ます。
有名な所ですと、群馬サイクルスポーツセンターなどになるでしょうか。サーキットのように整った綺麗な路面でなく、コース上のゴミや落ち葉なども綺麗ではないので、不確定要素やコースに合わせた様々なセッティングを施した自動車で、速さを競います。
グリップと呼ばれる部類の競技でタイムアタックや、2台位で追いかけっこをしてバトルを行うのが一般的です。
ドリフトについては別に後述します。
内容的には、某豆腐屋さんごっこと思って頂ければ差支えないです。
環状族や首都高ごっこがしたい場合は、大人しくサーキットに行きましょう。
ドリフト
自動車をドリフトさせ、いかに美しく狙ったラインを走れるかなど、芸術点を競う要素の強い競技になります。
日本でも海外でも、プロ競技としてレースが開催されており、その見た目の派手さから人気もありますが、一時期に比べれば下火になって来ているような印象を受けます。
車体にひたすら負担を掛けるのと、タイヤ代などでドライバーの財布にも執拗な負担を掛けてくる、負担だらけの競技になります。
「俺、ドリフトしてるねん」なんて言った日には、ギャル系のお姉さんがたまに釣れたり釣れなかったり。
ジムカーナ
舗装路面で行われる競技で、パイロンなどを設置したコースレイアウトを、如何に早いタイムで完走出来るか競う競技です。
比較的低速で小回りや適格なブレーキングの技術が必要になり、高い車体のコントロール能力が要求されます。
ジムカーナを練習すれば、雨天や降雪時に、路上で運転中に少々のトラブルが起きても対処出来るようになるでしょう。
参加の敷居が低く、こちらもモータースポーツ入門におすすめの競技になります。
ラリー
主に、公道の未舗装路で行うタイムアタック競技になります。
コースは山奥などにクローズドコースが設定され、順番に各車スタートして行われます。
基本的には、ドライバーの他に助手席ににナビゲーターを同乗さえて、進路上のカーブの進入速度やRを指示し、ドライバーはその情報を元にある程度予測を立てて運転します。
未舗装路を全開で走行して行く為、かなり高度な車体のコントロール技術が要求されます。
競技車両も、他の競技とは異なり、悪路に対応した足回りや、ハイスピードからの横転などを前提とした、強固な乗員保護を可能とする車両作りなどが求められます。
一般的にレーシングカーのように専用設計ではなく、市販車を改造して使用されることが多いです。
ドラッグレース
0-400mの直線で、2台同時にスタートしてどちらが早いかを競う競技です。
モアパワー、パワーこそが正義な世界ですが、実は絶妙なクラッチミートなどが勝負を大きく分けることになります。
ノーマル車両でも競技自体は可能な為、勝ち負け考えない場合はこちらも敷居の低い競技になりますね。
オンロードレース
サーキットなどで行われる、所謂レースと言われてパッと出てくるアレです。
一口に言っても様々なジャンルに分けれらます。
フォーミュラーカーを使ったレース、ツーリングカーを使ったレースにまず分かれますし、耐久やスプリントなどにも分かれます。
市販車を使ったレースも勿論あります。
フォーミュラーカー
タイヤが剥き出しになっている、オープンホイルと呼ばれる専用のレーシングマシンを使用して行われます。
基本的には、規定周回数で一番初めに先頭でチェッカーを受けたマシンが勝利になる単純な物になります。
F1、SUPER FORMULA、インディーカーなどがこれらになります。
ツーリングカー
一般的な乗用車の形をしている自動車です。
箱車などと呼ばれたりもします。
SUPER GTやDTMなど、幅広く採用されています。
スプリントレース
短い距離での速さを競うレースです。
短いと言っても、概ね200km~300km程度の距離を走行することが多く、時間にして2時間程になります。ドライバーの交代などがなく、一人のドライバーで走りきる為、厳しいレースになります。
F1やSUPER FORMULAなどが該当します。
SUPER FOMULA LIGHTSやF4、86・BRZレースやヴィッツレースなんかですと、10週ちょっととかの本当に短いレースになります。
実際まともに長い距離走ってるのは、プロのトップカテゴリのレースになります。
耐久レース
長距離または規定時間を複数のドライバーで交代しながら完走を目指すレースです。
1000km耐久や、500マイルレース、時間で長い物ですと24時間レースなどになり、レース時間が非常に長い物になります。
レース時間が長い分、途中でトラブルなどが起きても挽回することも可能な反面、ゴール直前でリタイアなんてことになったらもう・・・・
特に暑い時期の耐久レースは、外気温と直射日光、路面からの照り返しと高い路面温度、分厚いレーシングスーツにマシンの放熱などによって、非常に厳しいレースになります。
8耐ライダーが1スティント(1走行)を終わって交代した直後は、体温が40℃を超えているそうです。
真夏に、普通にリッターのスポーツバイクに乗っているだけで、熱中症待ったなしなのに、ライダースーツフル装備で、炎天下を1時間以上集中切らさずにアタックし続けるって、プロライダーって一体どんな化け物なんだ?と常々思います。
たまにいる、ピットインでライダー交代しないで、2スティント目に突入してる人とか、もう狂気の沙汰。
お手軽な耐久レースですと、軽自動車耐久レースや、ミニバイクの60分や90分の耐久レースなどがあります。
この辺りになると、友達なんかと誘い合わせて、ワイワイと気軽に参加することも可能になります。
走行会
ショップやサーキットなどが主催する走行会などのイベントでも、気軽にモータースポーツを楽しむことが出来ます。
走行会になると、装備やライセンスなどがゆるくなるので、本当にお手軽に参加して楽しめます。
バイクの場合は、最低限レーシングスーツやブーツなどが必要になるので、若干ハードルは上がりますが。
費用的には、参加費で2万円も掛からない位の走行会が多くなります。
基本的に走行会は、スポーツ走行であってレースではないので、目を三角にして走って、他の参加者に迷惑を掛けるようなことをしてはいけません。
安全に事故なく怪我なく楽しんで帰るのが走行会です。
ライセンス
モータースポーツを行う場合に当たって、サーキットを走行する場合は、原則そのサーキットのライセンスが必要になります。
走行会などの場合にはライセンスが無くても走行が出来る場合もあります。
もう一つ、競技としてレースに参加する場合にもモータースポーツライセンスが必要となります。
モータースポーツライセンス
出場する競技によって必要なライセンスが若干変わりますし、管轄する団体も変わります。
JAF管轄のライセンス
国内の主要レースに出場する為に必要なライセンスになります。
国内ライセンスと国際ライセンスがあり、国際レースに出場する場合は国際ライセンスが必要になります。
下位ライセンスから取得していき、上位ライセンスへとステップアップしていくことになりますが、国内Aライセンスまででしたら、比較的誰でも取得することが出来ます。
また、競技自体に必要なライセンスの他に、審判に必要なライセンス、監督に必要なライセンスもあります。
ライセンスを取得する為には、JAF個人会員になった上で、JAFの主催するライセンス講習会を受講する必要があります。
講習会は全国各地で通年開催されている為、お近くの講習会を探して受講することが出来ます。
国内B級ライセンス
一番最初に取得することになる国内ライセンスになります。
こちらのライセンスを取得することによって、ジムカーナやダートトライアルなどの競技に参加することが出来るようになります。
2時間ほどの講習を受講することによって、取得することが出来ます。
有効期間は同年12月31日までとなっており、11月1日より更新が可能となり、翌年12月31日まで有効となります。
更新しないと競技会などに参加が出来なくなります。仕様上、初めてライセンスを取得した年などは、取得時期によっては極端に有効期限が短くなったりします。
(10月に取得しても、期限は同年12月31日まで)取得条件
普通自動車免許以上の免許を所持している。
JAF個人会員である。
国内A級ライセンス
国内B級ライセンスからのステップアップで取得するライセンスです。
こちらのライセンスがあれば、国内の競技に大体参加することが出来るようになります。
一部大会においては、主催者などから国際ライセンスを求められる場合もありますが、その辺はプロのレベルになってくるので参考までに。
国内A級ライセンスを受ける為には、講習を受講し、筆記試験に合格することと、実車での実技講習を行う必要があります。
以前は国内B級ライセンスからのステップアップのみでしたが、現在はいきなり国内A級ライセンスを取得出来るようになっています。
ここまでは比較的誰でも簡単に取得することが出来ます。
取得条件
有効な国内B級ライセンスを所持しており、ラリー・ジムカーナなどの競技に1回以上出場し完走していること。
又は公認サーキットにおいて25分以上のスポーツ走行を行った証明が受けられること。国内B級ライセンスを所持していない場合は、公認サーキットにて50分以上のスポーツ走行を行った証明が受けられること。
国内B級ライセンスを所持している場合も所持していない場合も、講習の受講前24か月以内に満たしている必要があります。
ここからの国際ライセンスはFIAの管轄になります。
また、国際ライセンスは、A・B級ライセンスにおいては、更新申請前12か月以内に準国際、国際レースでの決勝レースに1回も出場経験がない場合は、国際C級または国内A級への降格となります。
国際C級ライセンス
国際規格の最下位ライセンスになります。
国際C級ライセンスを所持していれば、様々な国際大会に出場出来るようになります。
有名なパリダカラリーも国際C級ライセンスで参加できます。
ここから一気に取得条件が厳しくなり、一般人ではちょっと難しい物になります。
取得条件
申請前24か月以内に、JAF公認レースで2回以上完走。
又は、JAF公認のラリー又はスピード競技で6回以上の完走。公認レースってなんやねん?と言われそうなので、わかりやすく言うと、公認レースは全日本選手権(SUPER FORMULA LIGHTS、F4)
公認ラリー又はスピード競技は全日本ラリーかジムカーナと言った大会になります。
この時点で一般人ではちょっと取得が厳しいのがお分かり頂けるでしょう。
国際B級ライセンス
国際B級以上を要求されるレースに出場するのに必要になります。
勿論、こちらも取得条件は厳しいものとなっています。
取得条件
申請前24か月以内に、FIA公認レース10回以上の完走。
日本選手権または国際格式のレースにて7回以上完走。
国際A級ライセンス
F1を除いての最高位ライセンスとなります。
取得条件
国際C級ライセンス以上を必要とする選手権で6回以上の完走。
レースにおいてのポイントを14ポイント以上獲得。
規定のいずれかの選手権で2つのフルシーズンで、各々80%以上の決勝レースへの出走をしていなければならない。
スーパーライセンス
モータースポーツ界最高峰のライセンスになり、F1に出場する為に必要なライセンスとなります。
プロレーサーの中でも、厳しい条件をクリアした、一部の限られたレーサーしか取得することが出来ません。
取得条件
18歳以上
2年以上シングルシーターに参戦したこと。
F1のレギュレーションに関するテストに合格すること。
各レースカテゴリで付与される、スーパーライセンスポイントを過去3年以内に40ポイント以上獲得していること。
カート国内Bライセンス、ジュニアBライセンス
レーシングカート競技に出場する為に必要なライセンスになります。
カートドライバーライセンス講習会を受講することによって、取得が出来ます。
取得条件
カート国内Bライセンス
15歳以上であること。
18歳以上の人はJAFの個人会員であること。
ジュニアBライセンス
8~14歳であること。
公認審判員ライセンスB3級
競技において審判員をする為に必要なライセンスになります。
こちらのライセンスも、実績と試験をクリアすることで、A1級までステップアップしていくことが可能になります。
取得条件
18歳以上でJAF個人会員であること。
国内B級ライセンスを所持している場合は、交付申請のみで取得出来ます。
D1ドライバーズライセンス
D1に参加するのに必要となるライセンスです。
まずは当日のみ有効な仮ライセンスを申請することによって地方戦に参加することが出来るようになります。
地方戦に参加後は、Bライセンスの取得が可能になり、その後は実績に応じてステップアップしていきます。
取得条件(仮ライセンス)
ライセンス講習会を受講する。
バイクのライセンス
バイク競技に出場する場合も、自動車とは別にライセンスが必要になります。
MFJ国内ライセンス
基本的にこのライセンスで国内のバイクレースに出場出来るようになります。
取得条件も比較的簡単な為、割と取りやすいライセンスとなっています。
取得条件
16歳以上で下記のいずれかの条件を満たしていること。
MFJ公認サーキットのライセンスを取得しており、当該サーキットで3時間以上の走行証明ができる者。
申請前24か月以内に、フレッシュマンライセンスにて公認ロードレース大会に2回以上出場していること。
MFJフレッシュマンライセンス
入門者向けのライセンスです、まずはここから取得していく人も多いかも知れません。
取得条件
16歳以上で下記のいずれかの条件を満たしていること。
MFJ公認サーキットにてサーキットライセンス講習を修了し、当該年度有効なサーキットライセンスを所持していること。
MFJ公認のロードレースフレッシュマンライセンス講習会を受講し、修了証を取得している者。
MFJジュニアライセンス
年少者のバイク競技入門向けのライセンスになります。
取得条件
12歳以上16歳未満で、MFJ公認サーキットの当該年度有効なサーキットライセンスを所持していること。
またはMFJ公認のロードレースジュニアライセンス講習会を受講し、修了証を取得している者。
モータースポーツをするにあたって必要な装備
モータースポーツは、適切な装備を身に着けて安全に十分留意した上で行う必要があります。
走行会などの必要最低限の装備から、本格的に競技に参加するに当たって必要な装備まで、様々な物があります。
ヘルメット
まず、必須となるのがヘルメットです。
4輪用と2輪用でヘルメットは違うのですが、4輪用のほうが保護部分が大きく視界が狭めに、2輪用では視界確保の為にシールド部分が広くなり、空気抜きなどのベンチも装備されます。
レースなどに参加する場合は、参加するレースの規則に則った規格のヘルメットを使用する必要があります。
走行会程度でしたら、バイク用のフルフェイスを4輪に使用することも出来ます。
HANS
ヘルメットに装着する、頭部及び頸椎の保護デバイスです。
肩から首に掛けて装着し、ベルトでヘルメットと接続することで、クラッシュ時などに頭部だけが激しく振られるのを防止します。
HANSが接続出来る用に、4輪用のヘルメットでアタッチメントが装着されている物が必要となります。
5点式シートベルト、ヘルメットと併用することで、ドライバーの生存率を上昇させます。
競技レベルになると、HANSは着用が義務付けられていることが多くなります。
レーシンググローブ
こちらも4輪、2輪共に必須の装備になります。
ステアリングに対するグリップを高め、誤操作防止と手の保護の為に着用します。
4輪では前者の意味合いが比較的強いですが、2輪では、人間は転倒した際に、無意識にまず手で庇おうとするので、手を保護する為にプロテクターなどが装着されたグローブが一般的になります。
レースなどに出場する場合は、こちらも規格の適合する物を使用する必要があります。
レーシングシューズ、レーシングブーツ
まず4輪用のレーシングシューズですが、足にしっかりとフィットし、底が浅く作られている為、ペダルの操作感をより的確に足で感じ取ることが出来るように作られています。
また、車両火災などが発生して閉じ込められた時のことを考え、難燃性の素材が使用されています。
2輪用のレーシングブーツは、動きやすさとペダルの操作感を損なわないようにしつつ、足を保護する為丈夫に作られています。
大きなクラッシュなどをした際に、柔らかい靴やブーツですと、足首などの損傷に繋がる
ことも多くなります。
私も経験しましたが、たぶんレーシングブーツ履いてなかったら足首完全に折れてたと思います。これらのシューズも、レースでは規格物を使用する必要があります。
レーシングスーツ
俗に言うツナギになります。
4輪用は、難燃性の素材で出来ており、基本的には燃えにくさに重点を置いた物が多いです、カート用のツナギになると、火災よりも2輪のように直接接触の可能性が高くなるので、耐摩耗性に優れた素材で作られています。
2輪用は、転倒などの際に体を保護する為、耐摩耗性に優れた、一般的に皮で作られ、体の各部を保護する為にパッドやプロテクターが備え付けられています。
こちらも勿論、規格に沿わないとレースでは使用することが出来ません。
4輪使用でしたら、走行会レベルですと、長袖長ズボンでOKだったり、作業用のツナギでも十分な場合が多いです。
むしろ走行会は、自分の車両を細かな作業等で触ることが多くなりますので、作業ツナギのほうが都合がいいかも知れませんね。
競技車両
基本の大前提ですが、これがないと話になりません。
レーシングチームなどに所属する場合は、チームのマシンをドライブすることになりますが、個人レベルでスポーツ走行やレースなどを行う場合は、自分の車両で参戦するのが大前提です。
出場する目的や規則にあった車両作りや、参加の前にはきっちりとしたメンテナンスが必要となります。
また、参加するイベントやレースによっては、主催者より装備などを指定される場合もあるので、それらも守らなければなりません。
主に、オイルキャッチタンクの装着やボルト類のワイヤリングなどになります。
いざ本番!こんな時はどうするの?
初めてサーキットや競技会などに参加して、右も左もわからない場合が多いですよね。
簡単な基本の話をしたいと思います。
ルールがわからない
どんなイベントやレースでも、必ず開始前に全ドライバーを対象としたドライバーミーティングがあります。
イベントやレースの主旨や、基本的なルール、守らなければならない事項。
トラブルがあった時などにどうすればいいのか、当日のコースの注意点、走行時間など、基本的に必要なことはこのミーティングで説明があります。
よく聞いてしっかり理解するようにしましょう。
誰かルールなどを守らない人がいると、他のドライバーにも迷惑を掛けることになります。サーキット内では、必ず係員の指示に従うようにしましょう。
体調が優れないけど参加しても大丈夫?
スポーツ走行は、思った以上に体力を消耗します。
走行中は周りの状況を確認しつつ、車両のドライブをする必要がありますし、特にスポーツ走行などに慣れていない初心者の人ほど、今まで体験したことの無い速度域などでのドライブになる場面が多いので、精神的、体力的にもとても疲労します。
集中が切れた状態でのスポーツ走行は大変危険になり、自分だけでなく、他のドライバーなども巻き込んだ事故等にも繋がりかねませんので、体調を万全に整えて参加するようにしましょう。
サーキットで事故を起こしてしまった、巻き込まれてしまった!
スポーツ走行をしている上で、避けられないのがクラッシュなどになりますが、万一自分が事故を起こして他車を巻き込んでしまったり、他車に巻き込まれてしまった場合。
サーキットの設備などを破壊してしまった場合はどうなるのでしょうか?
昔からレースにおいて「怪我と弁当は自分持ち」と言われるように、基本的にサーキットや競技中の事故については、危険を承知の上全て自己責任で行った物であり、他者に責任追及や賠償請求などは出来ないようになっています。
出来ないって何?と思われるでしょうが、本当に上記の通りの考えの元行われる物で、参加前には、主催者に必ず注意事項や上記文言が入った誓約書を提出することになります。
サーキット毎に専用の保険を設定していたり、スポーツ走行向けの保険を販売している保険会社があったり、一部任意保険でもこれらのスポーツ走行に適用される特約が存在する物もありますが、基本的に人身への補償となり、物損への補償はされていないケースが多いです。
他車を巻き込んで車両を損傷、怪我をさせた場合
相手ドライバーの怪我については、冷たい話ですが補償する義務はありませんし、マシンについても賠償する必要はありません。
それがモータースポーツのルールです。
他車に巻き込まれて車両を破損、怪我をした場合
逆の場合も同様に、自分の怪我の補償や車両の賠償を相手に請求することは出来ません。
サーキットの設備を破壊してしまった場合
コースアウトやクラッシュなどでサーキットの設備を破壊してしまった場合ですが、これは基本的に施設の所有者への実費での賠償が必要になります。
タイヤバリア1個5万円や、クラッシュパッドに接触して破いてしまったら5万円、中まで行ったら10万円など、全体的に非常に高額な場合が多いです。
これらも、ドライバーズミーティングで説明があることが多いので、よく注意して聞くようにしましょう。
給油は出来るの?
大きなサーキット等になると、給油施設が併設されている所もありますが、小さなサーキットやサーキット以外で行われる競技会の場合では、一旦サーキットなどを出て給油をしに行く必要がある場合が多いです。
事前に近隣の給油施設を確認し、ガソリンを満タンにして行くようしましょう。
レーシングスクールについて
本格的にレーシングドライバーとしてのキャリアを積みたい人には、レーシングスクールに入ると言った道もあります。
勿論、それまでにカートや下位カテゴリでの実績を積んでいる必要がありますが。
短期間で集中的にプロドライバーの講師陣からレクチャーを受けることが出来、これらのスクールを卒業することで、その後のキャリアにも繋がります。
数名の定員に対して、相当数の応募があり、基本的に書類選考による入校審査となります。
トヨタの主催する「フォーミュラートヨタレーシングスクール」とホンダの「鈴鹿サーキットレーシングスクール」があり、どちらも現役で活躍する多くのプロドライバーを排出しています。
トヨタは1回のスクールを行うのに対し、ホンダは複数回に分けて行われ、参加者を振り落とす形式を取っています。
トヨタで20万円程、ホンダで合計50万円程の費用が掛かり、スクール中にマシンや設備などに損傷を与えた場合は実費での修理が必要になります。
また、トヨタ・ホンダ共に卒業の成績優秀者にはスカラシップが与えられ、その後のレース活動のサポートが行われます。
関西近郊のミニサーキットや競技会場
鈴鹿ツインサーキット
鈴鹿サーキットのほど近くに作られたサーキットです。
年間を通して多くの走行会などのイベントが開催され、4輪・2輪共に走行が可能です。
サーキット内には飲食施設や給油施設はないので注意が必要です。
モーターランド鈴鹿
こちらも鈴鹿にあるミニサーキットになります。
中低速のテクニカルコースで、グリップ走行、ドリフトやジムカーナ等に使用されます。
レイアウト的に、初心者が練習するのにはもってこいのサーキットでしょう。
名阪スポーツランド
奈良にあるミニサーキットです。
基本的にカートやドリフト・ジムカーナで使用されることが多くなります。
名阪国道沿いにあるので、アクセスも比較的便利になります。
4輪用と2輪用のコースがあります。
スポーツランド生駒
生駒山にあるミニサーキットです。
125cc以下のミニバイクとカート専用のコースになります。
レンタルカートなどもあり、気軽に体験することが出来ます。
舞洲インフィニティサーキット
大阪の舞洲スポーツランドにある、カート専用サーキットです。
レンタルカートでお手軽にカートの体験が出来ます。
姫路セントラルサーキット
姫路にある、比較的規模の大きなサーキットになります。
関西地方の多くの走行会などがこのセントラルサーキットで開催されます。
東の筑波、西のセントラルと呼ばれるだけあり、年間を通じて多くのイベントが開催されています。
まとめ
今回はモータースポーツに焦点を当ててお話させて頂きました。
テレビや現地などで観戦をするのも楽しいですし、勿論自分で実際にやるのもとても楽しい物です。
内容などによっては、手軽に体験してみることも可能なので、観戦も実践も、是非とも一度体験してみて頂きたいと思います。
モータースポーツは、日本ではまだまだマイナーなジャンルになりますが、少しでも好きな人が増えてこれから盛り上がっていってくれればいいなと思います。
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